大乗経典と論書の現代語訳と解説

法華経と法華玄義などの経論を通して霊的真理を知る

法華玄義 現代語訳 162

『法華玄義』現代語訳 162 〇蓮華をもって行妙を喩える 蓮華の種は小さいといっても、その中に根、茎、花、葉が備わっていることは「行妙」を喩える。茎は「慈悲」、葉は「智慧」、しべは「三昧」、花が開くことは「解脱」である。また葉は三つの「慈悲」…

法華玄義 現代語訳 161

『法華玄義』現代語訳 161 〇蓮華をもって十如是の境を喩える(①~⑩) ①たとえば、硬い蓮の実のようである。黒いことは染めがたいことを意味し、硬ければ壊れにくい。四角でもなく丸くもなく、生まれもせず滅びもせず、「劫初」には種もないために生じる…

法華玄義 現代語訳 160

『法華玄義』現代語訳 160 A.4.2.c.④正しく解釈する もし『大集経』によるならば、修行の法の「因果」を蓮華とし、菩薩が蓮華の上に坐ることは、「因」の花、仏の蓮華を礼拝することは、「果」の花である。もし『法華論』によるならば、その住む…

法華玄義 現代語訳 159

『法華玄義』現代語訳 159 A.釈名 A.4.正しく解釈する A.4.2.詳細に説き明かす A.4.2.c.蓮華について述べる 蓮華について述べるにあたって、四つの項目を立てる。①「法譬」を定める。②「旧釈」を引用する。③「経論」を引用する。④正…

法華玄義 現代語訳 158

『法華玄義』現代語訳 158 第九.利益 「本門の十妙」の解釈における第九は、「利益」である。先に「生身(しょうしん・この世に現われた身)」の「利益」を明らかにし、次に「法身」の「利益」を明らかにする。「生身」は「迹門」と「本門」の両方に「利…

法華玄義 現代語訳 157

『法華玄義』現代語訳 157 第六.料簡 「本門の十妙」の解釈における第六は、「料簡」である。過去現在未来の「三世」について考察する。『法華経』に「如来の自在な神通力と、如来の大いなる勢いと威厳の力と、如来の獅子奮迅の力」とあるのは、すなわち…

法華玄義 現代語訳 156

『法華玄義』現代語訳 156 ⑦本眷属妙 『法華経』に「このあらゆる菩薩は、下方の空中に住む。彼らは私の子、私はすなわち父である」とある。「下方」とは、「下」を「底」とする。『大品般若経』に「諸法底三昧(しょほうていざんまい)」について記され…

法華玄義 現代語訳 155

『法華玄義』現代語訳 155 ③本国土妙 『法華経』に「それ以来、私は常にこの娑婆世界にいて、説法教化し、また他の国においても衆生を導き利益を与えた」とある。この「娑婆」とはすなわち「本時」の「凡聖同居土」である。「他の国」とはすなわち「本時…

法華玄義 現代語訳 154

『法華玄義』現代語訳 154 第五.広釈 「本門の十妙」の解釈における第五は、「広釈」である。「本門の十妙」の各項目について詳しく述べる。「本」がなければ「迹」が下されることはない。もしよく「迹」を理解すれば、すなわちまた「本」も知る。しかし…

法華玄義 現代語訳 153

『法華玄義』現代語訳 153 A.4.2.b.②.(2).Ⅱ.本門の十妙を明らかにする。 第二に、「本門」の「十妙」とは、「本因妙」「本果妙」「本国土妙」「本感応妙」「本神通妙」「本説法妙」「本眷属妙」「本涅槃妙」「本寿命妙」「本利益妙」の十種…

法華玄義 現代語訳 152

『法華玄義』現代語訳 152 A.4.2.b.②.(2)本門の十妙 「妙」について詳しく述べるにあたっての第二は、「本門」における「十妙」を明らかにすることである。ここで二つある。まず、Ⅰ.「本」と「迹」について解釈し、第二にⅡ.「本門の十妙」…

法華玄義 現代語訳 151

『法華玄義』現代語訳 151 ④観心の利益について明らかにする 小乗は、心に生じたことでも、まだ身も口も動いていなければ、「業」とはしないことが明らかである。しかし、大乗は、一瞬の罪を作ることでも、それによって無間地獄に堕ちることを明らかにす…

法華玄義 現代語訳 150

『法華玄義』現代語訳 150 ③流通の利益について明らかにする 「功徳利益妙」について述べるにあたっての三つめは、「流通(るつう・教えが広められること)の利益について明らかにする」である。ここにおいて三つの項目を立てる。一つめは「a.師を出す…

法華玄義 現代語訳 149

『法華玄義』現代語訳 149 ②.b.近益を論じる 「近益(ごんやく)」とは、仏が悟りを開く「寂滅道場」に赴き、初めて悟りを成就して、教えを説き、生死の「苦」を減らす毒の太鼓と、道を増し加える天の太鼓を打って、衆生に「利益」を与え、『法華経』…

法華玄義 現代語訳 148

『法華玄義』現代語訳 148 第十.実報土の利益 これは「実報土」の人の「利益」である。前に第一から第八の「利益」まで述べた中、別教の「十住」「十行」「十廻向」の「三十心」の人と、円教の「相似即」の人は、まだ生まれ変わる。この人たちは、「方便…

法華玄義 現代語訳 147

『法華玄義』現代語訳 147 第三.声聞の利益 「声聞」の「利益」とは、もし人が生死にとらわれるならば、死んでさらにこの世に生を受け、さらにまた死んで、それによって精神的に病んで、生まれ変わり死に変わりが際限なく続く。貪欲に覆われ、ヤクが自分…

法華玄義 現代語訳 146

『法華玄義』現代語訳 146 第二.因の利益 「因」の「利益」とは、「二十五有」の修行の「利益」である。そもそも自分の「利益」のため、あるいは他人の「利益」のための「因果」は、それぞれの意義に従って、両極端をあげて述べれば容易である。しかし、…

法華玄義 現代語訳 145

『法華玄義』現代語訳 145 ②.a.Ⅱ.十益 次に個別に説けば十種の「利益」となる。第一は「果」の「利益」、第二は「因」の「利益」、第三は「声聞」の「利益」、第四は「縁覚」の「利益」、第五は「蔵教の菩薩」の「利益」、第六は「通教」の「利益」、…

法華玄義 現代語訳 144

『法華玄義』現代語訳 144 ◎「功徳利益妙」について詳しく述べる (注:「迹門の十妙」の中の「A.4.2.b.②.(1).Ⅳ広解」の中の、第十番めである「功徳利益妙」の段落となる) 第十に、「功徳利益妙(くどくりやくみょう)」について述べる。「…

法華玄義 現代語訳 143

『法華玄義』現代語訳 143 ④法門の眷属を明らかにする 「眷属妙」について述べるにあたっての四つめは、「法門の眷属を明らかにする」である。これは、『維摩経』において、普現色身菩薩(ふげんしきしんぼさつ)が浄名居士(じょうみょうこじ・『維摩経…

法華玄義 現代語訳 142

『法華玄義』現代語訳 142 ③「麁」と「妙」を明らかにする 「眷属妙」について述べるにあたっての三つめは、「麁と妙を明らかにする」である。「三蔵教」の本性を持つ「眷属」は、その本性は劣っている。昔の結縁における縁もまた浅く小さい。その後、中…

法華玄義 現代語訳 141

『法華玄義』現代語訳 141 ②.d.神通生の眷属を明らかにする 「神通生(じんつうしょう)」の「眷属」とは、もし前世で仏に会って、真理に向かう心を発して「真諦」を見たとしても、生まれ変わる因縁がまだ尽きていなければ、あるいはさらに上の世界に…

法華玄義 現代語訳 140

『法華玄義』現代語訳 140 ◎「眷属妙」について詳しく述べる (注:「迹門の十妙」の中の「A.4.2.b.②.(1).Ⅳ広解」の中の、第九番めである「眷属妙」の段落となる) 第九に、「眷属妙(けんぞくみょう)」について述べる。これについては五項…

法華玄義 現代語訳 139

『法華玄義』現代語訳 139 ⑤「麁」と「妙」を明らかにする 「説法妙」について述べるにあたっての五つめは「麁と妙を明らかにする」である。ここにおいて、五つの項目を立てる。一つめは理法について、二つめは言葉について、三つめは内容について、四つ…

法華玄義 現代語訳 138

『法華玄義』現代語訳 138 ②大小を分ける 「説法妙」について述べるにあたっての二つめは「大小を分ける」である。つまり、説法における大乗と小乗を区別することである。『法華経』では、「十二部経」の中の「九部」を指して、大乗に入る前の経典として…

法華玄義 現代語訳 137

『法華玄義』現代語訳 137 ①.〇標名 (注:この箇所も「①説法の名称を解釈する」の段落の中にあることは間違いないが、ここまでで見た①の中のa.~g.に分けられた段落とも異なる段落が、ここから①の箇所の最後まで続く。内容から「名を標す」とするの…

法華玄義 現代語訳 136

『法華玄義』現代語訳 136 ①.d.「定名」 「十二部経」を「定名(じょうみょう・名前が定められた理由)」によって分けると、四つに分けられる。まず一つめは、「修多羅(しゅたら・古代インド語のスートラの音写文字。当時の経典はひもでつなげられてい…

法華玄義 現代語訳 135

『法華玄義』現代語訳 135 ◎「説法妙」について詳しく述べる (注:「迹門の十妙」の中の「A.4.2.b.②.(1).Ⅳ広解」の中の、第八番めである「説法妙」の段落となる) 第八に、「説法妙(せっぽうみょう)」について述べる。『法華経』に「諸法…

法華玄義 現代語訳 134

『法華玄義』現代語訳 134 ④「麁」と「妙」を明らかにする 「神通妙」について述べるにあたっての四つめは「麁」と「妙」を明らかにすることである。「神通」をもって人々を導くというと、ただその身を変えて、その聖人の持つ報いに応じた働きをするだけ…

法華玄義 現代語訳 133

『法華玄義』現代語訳 133 ③「同異」を明らかにする 「神通妙」について述べるにあたっての三つめは「同異」を明らかにすることである。たとえば、「餓鬼道」に生まれることは、「業」の報いにおける「神通」である。また、人は薬を飲んで「神通」を得る…