守護国家論 現代語訳 03 第一章 第二節 第二に諸経の浅深を明らかにする。 『無量義経』には、「初めに四諦を説き、阿含、次に方等十二部経・摩訶般若・華厳海空を説き、菩薩の修行の経る過程を述べる」とある。また、「四十余年には未だ真実を顕わさず」…
守護国家論 現代語訳 02 第一章 全体を七門に分けた第一として、如来の経典の教えには、権実二教が定められていることを明らかにする。そしてさらにここでは、四節に分ける。第一節は、釈迦一代の経典の分類であり、第二節は、諸経の教えの浅深を明らかし…
守護国家論 現代語訳 01 守護国家論 正元元年(1259) 三十八歳 (注:『守護国家論』は、日蓮上人の初期の代表的な著作であり、これをもとに、翌年、『立正安国論』が記されて、幕府に奏上された。しかし、それをきっかけに、日蓮上人に対する迫害が…
『法華経』現代語訳と解説 その27 妙法蓮華経勧持品第十三 その時に薬王菩薩摩訶薩と大楽説菩薩摩訶薩は、二万の付き従う菩薩たちと共に、みな仏の前において、次のように誓って言った。 「ただ願わくは世尊よ。ご心配なさらないように。私たちは仏の滅度…
『法華経』現代語訳と解説 その26 妙法蓮華経提婆達多品第十二 その時に仏は、多くの菩薩および天や人や僧侶や尼僧や男女の在家信者たちに、次のように語られた。 「私は、過去の無量の劫の中において、『法華経』を求めることに、たゆむことはなかった。…
『法華経』現代語訳と解説 その25 その時に釈迦牟尼仏は、分身の諸仏がみな集まり、それぞれの獅子座に着いたことをご覧になり、そして諸仏が同じく、宝塔を開くことを願っていることを聞かれ、すぐに座より立って、空中に上りそこに留まられた。すべての…
『法華経』現代語訳と解説 その24 妙法蓮華経見宝塔品第十一 その時、仏の前に七宝の塔があった。高さは五百由旬、縦と横の広さは二百五十由旬である。地より涌出して空中に留まった。その塔は、あらゆる種類の宝物をもって飾られていた。五千の欄干があっ…
『法華経』現代語訳と解説 その23 妙法蓮華経法師品第十 その時に世尊は、薬王菩薩をはじめ、八万人の菩薩たちに次のように語られた(注1)。 「薬王よ。あなたはこの大衆の中の、多くの天、魔、人および僧侶、尼僧、男女の在家信者、そして、声聞を求め…
『法華経』現代語訳と解説 その22 妙法蓮華経授学無学人記品第九 その時、阿難(あなん)と羅睺羅(らごら)は、このように思った。 「私たちも記が授けられれば、どんなにうれしいことだろう。」 すぐに阿難と羅睺羅は座より立って、仏の前に進み、頭を仏…
『法華経』現代語訳と解説 その21 妙法蓮華経五百弟子受記品第八 その時に富楼那弥多羅尼子(ふるなみたらにし・注1)は、仏からこの智慧と方便について詳しく説かれた説法を聞き、さらに、多くの大弟子に、阿耨多羅三藐三菩提を得るという記が授けられた…
『法華経』現代語訳と解説 その20 多くの僧侶たちよ。私はこのように沙弥であった時、無量百千万億の大河にある砂の数ほどの多くの衆生を教化した。私に従って教えを聞いた衆生は、阿耨多羅三藐三菩提を得るように導かれたのである。この多くの衆生は、今…
『法華経』現代語訳と解説 その19 その時、大通智勝如来は、十方の梵天王をはじめ、十六王子の願いを受け、四諦と十二因縁の教えを説いた(注1)。僧侶や婆羅門、あるいは天、魔、梵天および他の世の人が説くことのできない教えである。 四諦は次の通りで…
『法華経』現代語訳と解説 その18 また僧侶たちよ。東南方の五百万憶の国土のあらゆる梵天王は、各々の宮殿が、まばゆいばかりの光明に包まれ、今までになかったほど光輝いていることを見て、躍り上がるほど喜んだ。このため、多くの梵天王が互いに集まっ…
『法華経』現代語訳と解説 その17 妙法蓮華経化城喩品第七 仏は多くの僧侶たちに次のように語られた。 「昔、無量無辺不可思議阿僧祇劫の過去に、仏がいた。大通智勝如来(だいつうちしょうにょらい)といい、供養を受けるべき方であり、遍く正しい知識を…
『法華経』現代語訳と解説 その16 妙法蓮華経授記品第六 その時、世尊はこの偈を説き終って、多くの大衆に次のように語られた。 「私の弟子の摩訶迦葉は、未来世において、三百万憶の諸仏世尊に仕え、供養し師事し敬い讃嘆して、広く諸仏の無量の大いなる…
『法華経』現代語訳と解説 その15 妙法蓮華経薬草喩品第五 その時世尊は、摩訶迦葉(まかかしょう)および多くの大弟子たちに、次のようにおっしゃった。 「良いことだ。良いことだ。迦葉よ。よく如来の真実の功徳について説いたものだ。誠にその通りであ…
『法華経』現代語訳と解説 その14 この時、摩訶迦葉は再びこのことを述べようと、偈をもって次のように語った。 私たちは今日 仏の教えを聞き 歓喜踊躍して 未曾有のことを得た 仏は声聞も仏になるということを説かれた 無上の大きな宝を 求めていないにも…
『法華経』現代語訳と解説 その13 妙法蓮華経信解品第四 その時、須菩提(しゅぼだい)と摩訶迦旃延(まかかせんねん)と摩訶迦葉(まかかしょう)と摩訶目揵連(まかもっけんれん)は、仏から聞いた驚くべき教えと、世尊が舎利弗に最高の悟りを開いて仏と…
『法華経』現代語訳と解説 その12 舎利弗よ 私は衆生のために この譬喩をもって 一仏乗を説く あなたたちがもしよく この言語を信じ受ければ まさにそのすべての者は 仏道を成就することができるのだ この一仏乗は微妙であり 清浄第一であり 多くの世にあ…
『法華経』現代語訳と解説 その11 仏は重ねてこの義を述べようと、偈をもって語られた。 たとえばある長者に 一つの大邸宅があった その家は古く壊れかけており 建物は高く危うく 柱の土台は腐り 梁や棟は傾き歪み 土台の石は崩れ砕 塀や壁は破れ裂け 泥壁…
『法華経』現代語訳と解説 その10 仏は舎利弗に次のように語られた。 「その通りだ、その通りだ。あなたが言う通りである。舎利弗よ。如来また同様である。すなわち仏はすべての世間の人々の父である。あらゆる怖れ、悩み、憂い、無知、不快などを永遠に尽…
『法華経』現代語訳と解説 その9 その時、僧侶と尼僧と男女の在家信者、天、龍、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩睺羅伽などの大衆は、舎利弗が仏前において阿耨多羅三藐三菩提の記を受けるのを見て、心は大に歓喜し踊躍すること測り知れなかった…
『法華経』現代語訳と解説 その8 その時、仏は舎利弗に次のように語られた。 「私は今、天、人、出家者、婆羅門たちの大衆の中において語る。私は昔、かつて二万億の仏のもとにおいて、あなたを究極の悟りのために常に教化した。あなたは長い間、私に従って…
『法華経』現代語訳と解説 その7 妙法蓮華経譬喩品第三 その時、舎利弗は踊躍(ゆやく)歓喜して、すぐに座より立って合掌し、尊い仏を仰いで次のように申し上げた。 「今、世尊に従いこの法の教えを聞いて、未曾有のことと心躍りました。なぜならば、私は…
『法華経』現代語訳と解説 その6 諸仏の最初からの誓願は 仏の修した仏道を 普く衆生にも また同じく得させようと願うものである 未来世の諸仏も 百千億 無数のあらゆる法門を説くであろうが それらは実は一乗なのである(注1) 両足を持つ人間の中で最も…
『法華経』現代語訳と解説 その5 その時、世尊は重ねてこの義を述べようと、偈をもって語られた。 僧侶と尼僧の中で 増上慢を抱く者 男子の在家信者の高慢な者 女子の在家信者の不信心な者 このような四衆ら その数五千人 自らその咎を省みることなく 学ぶ…
『法華経』現代語訳と解説 その4 その時、世尊は舎利弗に次のように語られた。 「あなたはすでに、三度も熱心に懇願した。どうして説かないことができようか。あなたは今、明らかに聞き、よくこれを思念せよ。私はまさにあなたのために、分別し解き明かそう…
『法華経』現代語訳と解説 その3 妙法蓮華経方便品第二 その時に世尊は、三昧より安らかに立たれ、舎利弗に告げられた。 「諸仏の智慧は非常に深く無量である。その智慧の門は理解しがたく入り難い。すべての声聞や辟支仏が知ることのできないものである。…
『法華経』現代語訳と解説 その2 その時、文殊師利菩薩は弥勒菩薩およびあらゆる大菩薩に次のように語った。 善き男子たちよ。私が思うに、今、仏である世尊は、大いなる法(注1)を説き、大いなる法の雨を降らし、大いなる法の螺(ほらがい)を吹き、大い…
『法華経』現代語訳と解説 その1 妙法蓮華経序品第一 このように私は聞いた。 ある時、釈迦仏は、インドの王舎城(おうしゃじょう)にある耆闍崛山(ぎしゃくっせん)におられた。 そこには、一万二千人もの偉大な修行者たちが共にいた。これらの人々は、み…