大乗経典と論書の現代語訳と解説

経論を通して霊的真理を知る

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

法華玄義 現代語訳  97

『法華玄義』現代語訳 97 ◎天 天乗の位とは、十善道を修して、その程度に応じて成就するということが、天の因である。加えて、禅定を修し、さらに上の世界に昇る。天の果は、欲界・色界・無色界の三界において高下の違いがある。因である行を修す時、必ず…

法華玄義 現代語訳  96

『法華玄義』現代語訳 96 ④.位妙 迹門の十妙の第四に、位妙について述べる。真理はすべてに融合し、その智慧が完全に隔てるものがなければ、行は導かれて妙が成就する。すでにここまで述べてきたように、境・智・行の妙が表わされていれば、そこに真理の…

法華玄義 現代語訳  95

『法華玄義』現代語訳 95 またこれは別入通教・円入通教・別教・円入別教・円教の五種の三諦の智慧の行である。俗諦の中の善行は戒聖行、真諦の中の禅定は定聖行、真諦の智慧は慧聖行、中諦は天行、五種の俗諦の苦を抜き、五種の真諦と中諦の楽を与えるの…

法華玄義 現代語訳  94

『法華玄義』現代語訳 94 第二.円教の五行について 五種の行(五行)によって行妙について述べるにあたって、別教の五行が終わり、続いて、円教の五行について明らかにする。 (注:これより「円教の五行」の説明となる。「別教の五行」では、聖行・梵行…

法華玄義 現代語訳  93

『法華玄義』現代語訳 93 (2)梵行(ぼんぎょう) 別教の五行の第二は、梵行である。梵とは清浄という意味である。有と無に偏った考えや、何かを得たというような思いがない、これが清浄ということである。この清らかな教えによって、人々の苦を除き楽を与…

法華玄義 現代語訳  92

『法華玄義』現代語訳 92 (注:ここからは天道の有についての記述となる。この天にもさまざまな次元がある)。 9.不動三昧(ふどうざんまい) 二十五有の⑨四天王(してんのう・四方を守護する四天王とそれらの天が住む世界。東方の持国天、南方の増長天…

法華玄義 現代語訳  91

『法華玄義』現代語訳 91 (注:ここまでは、地獄、餓鬼、畜生、修羅の四道の有について述べられてきた。順番からすると、次は人道であるが、仏教では、その人が住む場所として東西南北四つの大陸があるという。したがって、人の有という表現ではなく、一…

法華玄義 現代語訳  90

『法華玄義』現代語訳 90 〇二十五有三昧の各名称を解釈する まず、二十五有三昧の各名称を解釈するにおいて、四悉檀(ししっだん)を用いる。四悉檀は、前に述べたように、世界悉檀(せかいしつだん)・各各為人悉檀(かくかくいにんしつだん)・対治悉檀…

法華玄義 現代語訳  89

『法華玄義』現代語訳 89 ○無作の四諦における十波羅蜜 『涅槃経』に「苦はなく、諦もなく、真実だけがある。集なく、道なく、滅なく、諦もなく、真実だけがある。真実はすなわち中道であり、如来であり、虚空であり、仏性である」とある。このように観じ…

法華玄義 現代語訳  88

『法華玄義』現代語訳 88 ◎慧聖行 聖行の三種類ある中の最後は慧聖行(えしょうぎょう)である。この慧聖行は、生滅の四諦の慧と、無生の四諦の慧と、無量の四諦の慧と、無作の四諦の慧の四つの四諦の智慧ことである。 ○生滅の四諦の慧 生滅の四諦の慧とは…

法華玄義 現代語訳  87

『法華玄義』現代語訳 87 〇出世間禅の総論 以上見てきた出世間禅の各禅定を総合的に見るならば、練禅すなわち九次第定は、よく観禅の八背捨に入り、熏禅すなわち獅子奮迅三昧は、よく八背捨を出て、修禅すなわち超越三昧は、よく八背捨に留まる。『法華経…