大乗経典と論書の現代語訳と解説

経論を通して霊的真理を知る

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

法華玄義 現代語訳 185

『法華玄義』現代語訳 185 第六節 遍く諸行の体について 諸行の体について述べるにあたり、四つの項目を立てる。一つめは、1.諸行の同異について、二つめは、2.経による行について、三つめは、3.麁と妙の判別、四つめは、4.開麁顕妙である。 第一…

法華玄義 現代語訳 184

『法華玄義』現代語訳 184 第四項 開顕を示す 問う:『中論』は、まず大乗の門を明らかにし、後に二乗の門を明らかにしている。ここではなぜまず小乗の門を明らかにし、後に大乗の門を明らかにしているのか。 答える:『中論』は、当時の人が誤った見解に…

法華玄義 現代語訳 183

『法華玄義』現代語訳 183 第二目 諸門について麁と妙を判断する まず三蔵教の四門について明らかにする。この四門はすべて能通である。四門に執着すれば、共にみな妨げとなる。門が成就されることと門が退けられることと麁と妙に優劣はない。これは一概…

法華玄義 現代語訳 182

『法華玄義』現代語訳 182 第三項 麁妙を示す 門の麁と妙を述べるにあたって、二つの項目を立てる。一つめは、能所について麁と妙を判断し、二つめは、あらゆる門について麁と妙を判断する。 第一目 能所について麁妙を判断する 能と所について、四種があ…

法華玄義 現代語訳 181

『法華玄義』現代語訳 181 B.円観を明らかにする すでに円教の四門を述べてきたが、今、有門による円教の観法について述べる。並べて記せば十の意義がある(注:「蔵教」「通教」「別教」と同様に、ここから「十法成乗観(=十乗観法)」について記され…

法華玄義 現代語訳 180

『法華玄義』現代語訳 180 第四.次第・不次第 もし有をもって門とすれば、門によって修行する場合、次第する段階の差がある。微かなことから著しいことに至るまで、一つの行の中に無量の行が含まれることはなく、最後の非空非有門までこれは同じである。…

法華玄義 現代語訳 179

『法華玄義』現代語訳 179 Ⅳ.円教について (注:これ以降、「第二目 概略的に門に入る観法を示す」の最後の四番目の「円教」について述べられるが、この箇所は非常に長い)。 円教における実相に入る門の観法を明らかにするにあたって、第一に、円門を…

法華玄義 現代語訳 178

『法華玄義』現代語訳 178 Ⅱ.通教について 次に通教の有門の観法を明らかにするに際して、並べて記せば十の意義(=十乗観法①~⑩)がある。以下、簡単にそれを列挙する。 すべての実在はみな幻が作り出した幻化であると体得し理解する(①観境)。声聞と…

法華玄義 現代語訳 177

『法華玄義』現代語訳 177 第四.破法徧 有を見て道を得ることを成就することは、心を禅定と智慧に安住させることである。五停心の後、共念処(ぐうねんじょ・戒律と禅定の中において智慧を明らかにすること)を修す時は、不浄観などを帯びて、遍くあらゆ…

法華玄義 現代語訳 176

『法華玄義』現代語訳 176 第二項 門に入る観法を示す 門に入る観法について述べるにあたって、二つの項目を立てる。まず概略的に門が通じる場所を示し、次に概略的に門に入る観法を示す。 第一目 概略的に門が通じる場所を示す 通じるところの教えの門は…

法華玄義 現代語訳 175

『法華玄義』現代語訳 175 第四節 実相に入る門を明らかにする 実相は幽玄であり微妙であり、その理法は深い淵のようである。断崖絶壁に登る時、非常に長い梯子を使うように、真実の源に一致しようと願うならば、必ず教えと修行による。このために、教え…

法華玄義 現代語訳 174

『法華玄義』現代語訳 174 第三節 一法の異名 一法(=一実諦)の異名について述べるにあたって、四つの項目を立てる。一つめは、異名を挙げ、二つめは、異名を解釈し、三つめは、喩えによって述べ、四つめは、四随について述べる。 第一項 異名を挙げる …